Story家づくりのストーリー

　札幌市豊平区の閑静な住宅街に立つMさん宅。道南スギとモルタルの塗り壁を組み合わせた片流れ屋根の外観は、古い家が立ち並ぶ住宅街の中で、周囲に調和しながらも目を引く、温かくて美しい洗練された佇まいです。
　上下分離タイプの都市型二世帯住宅であるこの住まいは、1・2階ともに約34坪・3LDKの仕様で、それぞれの世帯が快適に過ごすのに十分な広さを確保。どちらもキッチンを中心に回遊性のある動線とすることで、暮らしやすさに配慮しています。
　二世帯住宅が抱える課題の一つである生活音にも配慮。音を伝える階段は、居室空間と切り離して玄関ホールに設置し、2階の居室は床と壁に防音性のあるボードを使用しています。充填＋付加のW断熱でUA値0.25を実現したMさん宅ですが、付加断熱にも遮音性を考え、あえて比重の重いグラスウールを採用しているのも特徴的です。
　室内は、ナラの無垢床や木の天井、珪藻土の塗り壁など、内部は自然素材を適材適所に取り入れています。1階は木質感のあるナチュラルテイストとし、2階は黒やグレーを差し色に取り入れたり、リビングに室内窓を設けるなど、モダンなアクセントもプラス。さらに2階は片流れ屋根を利用して勾配天井とし、効果的に設けた南と東の開口から光を取り込み、豊かな自然光が心地よい開放的な住空間を実現しています。
　都市型二世帯住宅ならではのさまざまな工夫が凝らされた新たな住まいは、Mさんご一家の日々の暮らしをより充実なものにしてくれるでしょう。