ダイニングの一角には、テーブルから振り向くとすぐに作業ができるワークスペースも備えた
らせん上に配置された
個々のスペースが特徴的な
ログハウス風住宅
Mさんが育ち、住み慣れた土地の隣接地区に中古住宅を購入し、住み始めたのが約10年前のこと。工夫しながら暮らしてきましたが、子どもたちが大きくなるにつれて手狭に。ご実家の老朽化が進み、両親に家を譲るためにも隣地に新築することを決意しました。
新築にあたり、ともに働くご夫妻にとって使いやすい生活・家事動線は必須条件。学業に忙しく、思春期に差しかかる子どもたちの個室も必要で、夫婦それぞれのパーソナルスペースも外せません。また内装デザインには、ログハウスやビンテージの雰囲気を持たせたいなど、「2回目の住宅購入だから後悔はしたくない」と思っていたMさんご夫妻には数々の希望がありました。
自由設計の家づくりにこだわりたどり着いたのは北海道ハウジングでした。同社はご夫妻の希望や家族の暮らし方を丁寧に聞き取り、予算や機能面などを考慮しながらプランニング。過不足のない足し引きを経て完成したプランに「自分たちのアイデアをより良く、理想以上のものにしてもらえました」と、Mさんは笑顔で話します。
リビングの吹き抜けは、高さ6.8mで開放感抜群。壁2面に設けられた大きな高窓からの光で、どの階も明るさに満ちています。吹き抜けを見上げると、小上がりから2階のフリースペース、最上階のロフトまで、ぐるぐる回りながら間取りが広がります。3人の子どものスペースもそれぞれ確保され、ロフトはMさんの「男の隠れ家」となりました。
ログハウスへの憧れは、羽目板を横張りにした内壁にすることで満たされました。木の壁がナラの無垢床と調和し、室内は木の温もりが心地よい空間となっています。
吹き抜けのリビングを見渡せるダイニング・キッチンには、テーブルに隣接して奥さんのワークスペースを設けました。キッチンと洗面・脱衣室の間に位置するユーティリティは家事の時短につながり、2階の大きなファミリークローゼットも収納の手間を減らしてくれます。
ご夫妻の希望が見事に具現化された充実した住空間。仕事に趣味に、学業に部活に…と、それぞれが自立した時間を過ごすMさんご一家にとって、「基地」のような家が完成しました。
DATA
■建築データ
構造規模 木造(新在来工法)・2階建て
延床面積 110.75㎡(約33坪)
<主な外部仕上げ> 屋根/ファイバーグラスシングル(リッジウェイ)、外壁/金属系サイディング 一部窯業系サイディング、建具/玄関ドア:鋼製断熱ドア、窓:樹脂サッシ(一部トリプルガラス)
<主な内部仕上げ> 床/ナラ無垢フローリング、壁/クロス 一部羽目板張、天井/クロス、一部現し
<断熱仕様 充填断熱+付加断熱> 基礎/ポリスチレンフォーム(B2)120㎜、壁/高性能グラスウール16㎏210㎜、屋根/ロックウール400㎜
□暖房方式 エコジョーズによるセントラル暖房(床下放熱器・パネルヒーター)
■工事期間
令和元年8月〜12月(約4ヵ月)
現しの天井と横張りの羽目板でログハウスのナチュラルな雰囲気を演出したLDK。キッチンの面材もそろえて、統一感を持たせた
キッチンに隣接してユーティリティがあり、普段着る服はここに収納。4帖ほどの広さでアイロンがけなどができるカウンターも設え、家事がはかどる
ロフトの小窓から見下ろすと、2階部分のフリースペースや美しい現しの梁、窓の外の景色まですべてが目に入る
2階へと続く階段の途中にある小上がりスペース。今は子どもたちがテレビゲームを楽しむ場所になっている
2階の階段ホールから見た、フリースペースと吹き抜け部分の眺め。高窓が風景を切り取って美しい
2階のフリースペース部分には大容量のファミリー本棚とピアノを設置
ロフトはMさんのプライベート空間。家族の気配を感じながらひとりの時間を満喫できる
スキップフロアにすることで、空間を有効活用できるようにプランニング。下の空間は次女のプライベートスペースになっている
玄関ホールの壁は、一面羽目板張り。家族5人分の大容量シューズクロークも設けた
金属系と窯業系のサイディングを組み合わせた外観。厚めの枕木を土留めとして利用したカーポートと風合いも調和している